こんにちわ。
ミュンヘンでは社会福祉局にお邪魔して、高齢化社会における新たなコミュニティの創成について意見交換もしてきました。
特に、ここでのテーマは「多世代の家」と名付けられたドイツ連邦政府家庭省の政策で、2006年より全土に展開されている。背景として、高齢者は増加するが、併せて活動的な高齢者も増加している。この元気な高齢者を“新たな資源”と考えて、そこで多くの世代と交流出来るコミュニティの創出が必要だと考えたのが背景にある。
多世代の家には5つの重要ポイントがある。
1、4世代の為の場所
2、子育て世代(特に共働きカップル)の支援
3、ボランティア活動との連携
4、多世代がそれぞれの強みを提供し合う
5、みんなが集まって団らんするコミュニティを作るのがポイント
ドイツ全土では「多世代の家」の展開の中で、正に多世代が住んでいる所もあるようだが、私達がディスカッションしたのは通所施設。言い換えてみれば、公民館を軸にコンテンツの醸成によって多世代交流空間を作っている施設を見たわけだ。
例えば、ドイツの小学校はお昼には終わる。しかし、共働き夫婦の増加によって、家に帰っても独りぼっちになってしまう子供が増えているのも事実。よって、ある種の学童クラブのような空間として「多世代の家」に子供が学校から向かい元気な高齢者と共に勉強したりするケースもある。しかも、「多世代の家」は運営が緩やかで夜遅くまでオープンしている事も可能でありニーズが多いようだった。また、移民の中には経済的に裕福でない方も多いので、この施設のオープンスペースを借りてコミュニティのパーティを行う事もしているという。
似たような施設、社会福祉団体は日本にもあるが決定的に異なるのは意識を持って行政サイドが本気で高齢者を社会に引っぱり出そうという戦略的な発想の下に運営がなされているのである。実際に、「多世代の家」がある地域ではコミュニティが活発になっているという。
東京も日に日に顔が見えない社会になっている。三軒両隣りの地域交流が難しくなっている今でも各地域で町会・自治会の皆さんの努力により絆が保たれている。「多世代の交流」はそれぞれが学ぶ事が多いわけで、よくよく考えなければならないなと実感。
2時間近くのセッションでは、かなり様々な意見も出ました。東京大学の研究チームもミュンヘンにはやってきているという事で、派手なテーマではないが注目度が集まってきている。
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多世代の家、興味深いです。
色々な所で、地域連携、異世代交流を目標に掲げている様ですが、中に入って見ると、どうも表面的な目標でしか無いようで…
もっと実のある連携、交流ができるのではないか?というのを最近ずっと考えています。
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>kinohimeさん
そうですね。
多世代の家の哲学をどうやって東京で具現化していくかは政治家の大きな仕事ですね。